バンクーバーVFX/CG体験会をきっかけにCG留学、現在はFX Artistとして現地で活躍中の塚島さんへインタビュー

皆様、こんにちは!

本日は、CGアーティストのインタビューシリーズをお届けします。

インタビューに協力してくださったのは、弊社のバンクーバ-VFX/CG現地体験会への参加をきっかけに、バンクーバーのLost Boysに留学され、卒業後、beloFXでFX Artistとして活躍中の塚島建さんです。

塚島さんがバンクーバーのVFX/CG現地体験会に参加したときは、日本の大学生のとき。体験会で、実際のスタジオや学校、実際に働いている人のリアルな話を聞いて一層興味がわき、CGで海外就職を目標として決めました。

その後、現地バンクーバーでも評価の高いVFX/CG専門学校の「Lost Boys」のFXコースに留学し、昨年卒業、卒業後すぐにbeloFXに就職が決まり、現在はFX Artistとして奮闘中です。

Lost boysの雰囲気、それから、就職までのプロセス(Linkedinの活用など)は、すごく参考になる内容で、これから海外での就職活動をする人は必見でしょう。

それでは、早速インタビューをご覧ください♪

目次

Q1. 現在働かれている会社とポジション、今取り組んでいる仕事内容を教えてください

現在は、beloFXでFX Artistとして働いています。beloFXは2021年に設立された新しいスタジオです。

他の大手有名スタジオで経験を積んだ人たちが集まってできたため、小規模ながらも大きな作品(映画、配信等)を制作しています。

当然FXチームの規模も小さいので、エフェクトアセット、ツール制作からショットワークまで幅広く働けています。

Q2. 今のスタジオで働く前は、現地の専門学校 Lost Boysに留学されたということですが、留学の前はどんなことをされていましたか?

留学前は大きく3つ、英語、Houdini、バイトでした。

当初の予定では大学卒業と同時に留学を決行するはずでしたが、ちょうどコロナウイルスの蔓延によって延期せざるを得ませんでした。結果一年間の延期になりましたが、そのおかげで逆にしっかりとした留学準備ができたように感じます。

英語は主に耳を鍛えることに注力し、Houdiniは学校入学後に勉強することになってはいましたが、自分で学べる分は学んでおこうと自主制作を続けていました。とくに、インターネット上でのエフェクトのコンテストに参加するなど、モチベーションの維持に努めました。

また、留学までは時間があったので、夏の間は山梨県のキャンプ場で泊まり込みのバイト、冬は地元の映画館でバイトといった形で留学資金をためるようにしました。この泊まり込みバイト期間中は全くPCには触れず、暇な時間は英語の勉強に充てていたので修行に近かった気がします笑。

キャンプ場のバイトの時

Q3. 現地の専門学校に留学することや海外で働いてみたいと思ったきっかけは何ですか?

正直、「あの作品の大ファンで制作にかかわりたかった!」「あの大手スタジオで働きたい!」といったものや、劇的なきっかけはほとんどないです。

大学在学中にLost Boysの広告やデモリールをウェブ上でさんざん目にして面白そうな業界だなと思ったからだった気がします笑。

しかし、バンクーバーVFX/CG現地体験会に参加し、実際の現場や空気感を体感することで、海外就職を具体的な目標として設定することができました。

Q4. Lost Boysではどんなことを学びましたか?また、Lost Boysのおすすめポイントとどんな人に向いている学校か教えてください

Lost Boysは、FXコースとCompコースのみの学校です。

ざっくりいえばHoudiniコースとNukeコースみたいなもので、各ソフトウェアに集中して取り組み、勉強するといった形です。自分はHoudiniを勉強したかったのでFXコースをとりました。

Lost BoysのFXコースでは各クラスで多くても10名ほどの生徒に対して、先生とTAの2名がいるので、わからないことをすぐに質問できます。自ずと生徒同士も仲良くなり、Houdini力はもちろん、英語力も鍛えられると思います。

個人制作からグループ制作はもちろんスタジオ見学やパーティ、旅行などのイベントも盛りだくさんの学校なため、Houdiniの勉強も英語も頑張りたいという人にはおすすめな気がします。

Lost Boys恒例のバーベキューの時

Q5. バンクーバーのVFX/CG体験会に参加していただきましたが、参加する前と参加した後で大きく変わった点は何かありますか?

参加前はCG業界で働くと決めていたわけではなかったので、半ば旅行感覚でした。

しかし、実際のスタジオや学校、実際に働いている人のリアルな話を聞いて一層興味がわき、CGで海外就職を目標として決めることができました。

Q6. 海外のスタジオからオファーをもらうまでの流れを簡単に教えてもらえますか?

Lost Boysでは一年を通していくつかのプロジェクトをこなし、それぞれのプロジェクトごとに1作品作ります。この作品をまとめたものをデモリールとして就職活動を行いました。

ブラッシュアップを経て、クラスみんなのデモリールのがある程度完成に近づくと、スーパーバイザーを学校に招いて直接フィードバックをもらいました。デモリールは完成したらLinkedInで公開、オンラインで各希望スタジオにアプライといった流れが基本でした。

自分の場合は、学校でbeloFXのスーパーバイザーにフィードバックをもらった後日、「面接しない?」といったメールをもらい、面接、オファー、採用となりました。そのほか、学校のOB、先生の紹介、LinkedIn上でのメッセージ等経由でいくつか面接の機会とオファーをもらえて、就活終盤では面接もだいぶ落ち着いてできるようになりました。

Q7. 海外のスタジオからオファーをもらうために特に力をいれたことは何ですか?

一にデモリール、二にコネクション、三四がなくて五に英語といった感じです。

デモリールは先生やスーパーバイザーの的確なフィードバックをもらえたので、ひたすらブラッシュアップに励みました。まだ直せていない部分も多々あるので、暇なときに手を加えられたらと思っています。

コネクションについては学校でのイベントでOBと話して、作品を見せることやLinkedInに投稿することに力を入れました。LinkedInは学校での授業があるくらい重要視されていて、投稿時間や内容に気を使いました。正直、そこまでやらなくてはいけないのかとうんざりするほどでした笑。

学校の先生曰く、良いデモリールがあって、適切な人にLinkedIn上でつながっていれば仕事はとれるそうです。個人的な感覚としても、アプライするよりLinkedInでコネクションを作ったほうが手っ取り早いと感じました。

Q8. 面接ではどのようなことをきかれましたか?

面接は最初に日常会話があり、自分のデモリールの説明、スタジオや仕事の説明、質疑応答といった流れが多かった気がします。

日常会話は、最近の学校の様子やカリキュラムを聞かれました。自分の場合は、面接といっても終始和やかな雰囲気でおしゃべりしているだけでした。

また、Lost Boysでは毎週成果発表の機会があり、それによって作品の説明には慣れていたため、デモリールの説明もいつも通りといった感じでした。

質疑応答では何のプロジェクトをやっているのか、ワーホリ後のビザのサポートの有無、給料や福利厚生についてなどを質問をしました。

Q9. 面接を振り返ってみて、ズバリ!受かった要因は自分で何だと思いますか?

作品とコネだと思います。

LinkedInではデモリールとは別に各プロジェクトでも投稿をしたのですが、その中で爆発のショットが広く拡散され、いろいろな人の目に触れることができました。それをきっかけに面接をしたり、LinkedInでつながることができたので、就職活動もスムーズに行えました。

Q10. 実際に海外のスタジオでの仕事をしてみて、これはすごい!と感じたことは何かありますか?

スーパーバイザーたちのフィードバックの上手さには舌を巻いてばかりです。

フィードバックが的確なのはもちろん、作業する人のモチベーションを下げないような工夫や言葉選び、言い方は本当にすごいと思います。

自分のつたない英語でもしっかりと聞いて、洗練されたアドバイスを即座にくれるのでショットに対するやる気が出てきます。

Q11. 海外のスタジオでの仕事や生活で苦労していること、もしくは、苦労したことを教えてください

現在の仕事がフルリモートなので、ほとんど全く運動しなくなってしまったことです。通勤がないのは非常にうれしいのですが、家から出る機会が少なくなって、完全に運動不足です。

また、仕事を始める前はフルリモートだとコミュニケーションが難しいかと思っていましたが、実際は特に不便はなく、毎週チームで話す機会もあるので、不満もないです。

Q12. 英語はどのように学習されましたか?もしくは今も学習している場合はどのようにしていますか?

下手な英語で話すにしても何を聞かれているのかわからなくては答えられないので、リスニングに力を入れて勉強していました。

実際の会話だとリスニング教材のようにはっきりとしゃべってくれることはないので、海外ドラマのシャドーイングをしていました。

会話の中の単語同士のリンキングや間投詞が非常に苦手だったので、同じシーズンを繰り返し見て覚えるようにしました。それから、英語喉がおすすめです。

留学後は友人や先生、同僚の真似です。会話でもチャットでも、ほかの人が使った表現を真似して使うようにしています。(読み書きはもうAIが…)

マーケットに行った時

Q13. CG業界に限らず、海外で働きたい日本人に必要なことはなんでしょう?

これがないと海外就職できない!なんていうものは無いと思います。

自分の場合、大義や大きな目標があるわけでもなく、面白そうだなーという雰囲気で海外に来て、働けています。

やってみたいと思ったことをとりあえずやってみることが大切なんじゃないでしょうか

Q14. これから海外に挑戦して、将来は海外のスタジオで働きたい学生や社会人の方にアドバイスをお願いします!

自分はカナダに来るまでは、海外就職といったらとても大変で難しい、偉大な挑戦のように考えていました。

しかし、実際に準備、留学、就職までしてみると、案外こんなもんかといった感じでした。

海外で働いていれば偉い凄いということは無いです。海外に挑戦といっても、成功も失敗もないです。

あまり気負うことなく気軽に、できることから少しづつ準備していればいつの間にか海外なんか来れるのだと思います。

Q15. 最後にこの記事を読んだ人が塚島さんにコンタクトを取りたい場合はどうすればいいですか?

なんでもお気軽にどうぞ。
*最近はアニメーションを勉強しているので、良い教材あったら教えてください。

LinkedIn : https://www.linkedin.com/in/takeru-tsukajima/
twitter(趣味用): @tsuka0245

いががでしたでしょうか。

塚島さんが、バンクーバーVFX/CG体験会で刺激を受け、そこから、日本に戻り、留学の準備、そしてLost Boysへの留学、最終的に現地スタジオへの就職を決めるまでの過程がギュッとつまったインタビューでした。

インタビューの内容で特に印象的だったのは、やはり、Lost Boysという定評のある専門学校の授業の質(就職までみすえた取り組みや少人数制・サポート体制)、それから、塚島さんがご自身で体験された就職活動から得られた知見を惜しみなく公開してくれていること、これは、これから現地で留学、そして就職活動する方にとって、とても貴重なアドバイスになるでしょう。

ぜひインタビュー内容を振り返って、参考にしてみてください♪

今年(2023年)の春休みには、塚島さんが海外就職を目指すきっかけとなった「バンクーバーVFX/CG現地体験会」が開催されます。昨年までは、コロナの影響でワクチン接種証明書やPCR検査なども必要でしたが、今は通常モードに戻っており、海外旅行感覚で参加できるようになりました!

興味のある方は、ぜひ体験会に参加して、海外への第1歩をスタートしてみませんか?

今回は海外アーティストDAYを開催!バンクーバーVFX/CG現地体験会のご案内
https://teamove.com/tour/