皆さん、こんにちは!
本日は今までお送りしている、ハリウッドの脚本家組合と俳優組合による歴史的なハリウッドストライキ終了の嬉しいニュースと、今起こっている現場の急ピッチスタートや業界の受けた大きすぎるダメージなどについて解説していきます。
これまでの経過などについては、弊社ブログや他ブログ記事などご覧ください。
時期 | ブログ記事へのリンク |
2023年 4月 | ハリウッド今年は景気後退か?!今後起きるかもしれない脚本家組合ストライキ |
2023年 6月 | AIに反対!ライターストライキ、大規模リストラ、プロジェクトの中止や今後など! |
2023年 8月 | 63年ぶりのハリウッド業界危機、CGアーティストたちの大規模レイオフの実情 |
2023年 10月 | 脚本家ストライキの終焉と俳優ストライキの現状、コロナ禍よりも深刻 |
歴史的な両ストライキの終了
2023年7月14日から始まった俳優ストライキが、ついに11月9日に終了しました。
ダブルストライキは、60年以上ぶりという、歴史的な出来事になりましたが、結果的には、両組合とも映画会社に勝利したというような結末になりました。
両組合とも論点としては、各映画会社が配信型ビジネスに移行してからそれらの利益に関すること、AIによる様々な取り決まりなどでした。結果的には、両組合とも求めていた内容を達する事に成功しました。
終了した俳優組合のストライキでは、AIによって生成された合成キャラクターに関しての規定など、役者にとってはプラスの内容となり、俳優組合は勝利宣言をしており、長期にわたるストライキも俳優組合が報われた結果に落ち着きました。
これにて9月27日に終了した脚本家組合のストライキと共に一連の労働争議がこれにて終了しました。
嵐の様なスタート
業界全体がストライキの影響により、プロジェクトが軒並み延期になり、VFX・CG業界もなども含めた全プロダクションがストライキの終了から一斉スタートの時期に注目しています。
バンクーバーやモントリオールなどのポストプロダクションであるVFX/CG業界に関しては、撮影からの時間などの誤差もあり、ストライキの終了後に一気にスタートダッシュを切るという状況ではないのですが、ただ撮影の現場はまた違った状況になっており、ロイター通信によるとストライキの終結後「映画とテレビのセットを再び稼働させるために」大急ぎで作業が進められていると報じています。
北米全体としたCG業界でもストライキの終了後から採用活動など一定の動きは見られ、来年の2~4月頃に大きく動き出すと予想されています。
業界の受けた経済的大ダメージ
今回のこのストライキにより映像業界全体が受けたダメージは計り知れないレベルになっており、なんと南カリフォルニアだけでも推定7000億以上の損失と見られています。
バンクーバーにいるVFX・CGアーティストなどの数は75,000人程度、これらの大部分がダメージを受けたと考えると、バンクーバーだけでもそのダメージは計り知れないものとなります。
また、今まで各CGスタジオでもレイオフなどかなりの数が行われていましたが、実際にルーカスフィルムのILMはシンガポール支社を8月15日に閉鎖することにもなりました。
幸い他には大きなスタジオ閉鎖のニュースはそこまでありませんが、それでも瀕死の状態に陥ったスタジオは多い状況です。
プロジェクトの減産
今回の騒動の影響も大きいのか、プロダクション各社は映像作品の減産をする行動も始まっています。
これはストリーミング事業を黒字化するという投資家からの圧力を受けて、実際にはストライキの前からすでに生産量の減少が始まっていたことでもあります。
最近、ディズニーは決算会見で投資家に対し、2024会計年度のコンテンツ支出は総額250億ドルとなり、前年度より20億ドル減少すると予想していると語っています。
ストライキの終了自体は業界にとってみると嬉しいニュースですが、業界の受けたダメージの回復などを考えると、シンプルに喜ぶこともできない状況かと思います。
実際に、続編のアバターやデットプール3、グラディエーター2、Dune2、The Last of us Season2など計り知れないプロジェクトが延期・停止をさせられたので、これらがいつスタートするのかなど今後まだまだ業界のウォッチは必要な状況です。
ただし、とにかくストライキが終了したこと自体は素晴らしいニュースとなりました!今後さらなる進展などがあれば別記事でアップデートをご紹介していきたいと思います。
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