皆さん、こんにちは!
今日は前回のブログに続いて、より詳細なシーグラフのレポートをお届けします!
コロナ後、初となる会場でのシーグラフ開催は予想以上の盛り上がりを見せました。
今年はやはりAI関連の展示が多く目立っていたと思います。弊社Teamoveでは、シーグラフと同時開催で、現地VFXツアーを開催し、おかげさまで例年通りの盛り上がりを見せました。(ハリウッドVFXスタジオ訪問やVFXツアーレポートは前回の記事よりご覧下さい)
それでは、シーグラフにフォーカスして、今回はレポートしていきたいと思います!
シーグラフとのレポートとともに、今年はずっとお伝えしている就職チャンス情報のアップデートもしていきます。
昨年もそうだったのですが、今年の夏はここ数年でもハリウッドVFXの就職はかなり良いものでした。そして、2022年も10月に入りだいぶ落ち着いてきたとはいえ、さらなる求人を出しているスタジオも多く、そこについてもお話していきます。
シーグラフ2022全体の印象
シーグラフ入り口のバンクーバーコンベンションセンターの様子
コロナ後、初の会場での開催となったシーグラフ2022 in Vancouver、まだ規制が残っている国などもある中で盛り上がりに関しては開催前までは不透明な状況でしたが、バンクーバーでの開催は予想以上の盛り上がりを見せました。
開催時期は8月8日~11日の計4日間で、バーチャルでの開催も同時期に行われ、例年通り世界最大のコンピューターグラフィックスの祭典でした。
会場展覧会の様子
会場の中は大勢の人で溢れていて、初日はチケットを並ぶだけでも数時間かかったとの事でスタートから盛り上がっていました。
シーグラフCG・VFXに留まらず、学術研究・発表の場としても大きな場所でもあり、ゲームエンジンメーカのUnityやUnrealEngineのEpicGameや、Autodeskなどはもちろん、AmazonやFacebookやAI関連などもかなりの数が発表されていました。
ハードウェアに関しても多く半導体などのNvidiaなどの企業も多く参加しており、セッションの数もかなりの数が講演されていました。
各セッションの前には簡単な説明が置いてある事も多いのですが、今年も様々な数のセッションがありました。
今年のシーグラフに関しては、いつも通りのVFX関連の展示やエレクトリックシアターなども例年通りの盛り上がりではありましたが、展示や講演に関しては、リアルタイム系の技術やAI関連の技術がかなり多かったように思いました。
やはり業界の未来的にはAIやリアルタイム志向であると言うような印象を大いに受けました。
シーグラフAI関連やリアルタイムの目立った展示
展示会でもリアルタイムでの技術を押している事は多かったですが、ハードウェア系などであればNvidia(エヌビディア)の講演や展示では技術を盛り込んだ内容で、もちろんGPUが有名ではありますが、Nvidia製のGPUにリアルタイムレンダリング機能を追加して、さらにそこに機械学習の技術を取り込んだもので、メモリの消費量が従来比の100分の1に減るというような具合です。
まぁ分かりやすく言うと、性能が100倍になって、もっと機能が上がります。というような感じです。技術的には機械学習などが入ることで今後ますます各分野において発展を見せるような印象が多くありました。
色々と工夫はしていると思いますが、UnityやWetaFXなどの共同による最新のリアルタイム3Dデモも割とクオリティが高くて衝撃的でした。
アバターやロードオブザリングなどで有名な世界的スタジオであるWeta FXは今年バンクーバーでのスタジオ設立がニュースになりましたが、Unrealと対等するゲームエンジンとしてのUnityがそのWetaを買収したのが昨年の2021で、さっそく色々やっているなという印象でした。
UnityやWetaFXなどの共同による最新のリアルタイム3Dデモの「Lion」ですが、ほかにもZiva SyncSketch SpeedTree Unity Graphicsチームが共同で制作したコンテンツであるということですが、実際にこのレベルが来るのはちょっとかかりそうですが、未来のゲームはここまで進化するかと思うと驚きの内容でした。
後はほかにもリギングのツールで面白かったのは、機械学習を取り込んだことにより物理エンジンなどを使って、アニメーターがつけたポーズを自然なもの(リアリティ)のあるものに自動でするというツールなど、これもまた未来を感じさせるツールなどが多かったです。
メタバース関連の研究など
今回はしっかりと人気があったARやVRもかなりの盛り上がりを見せていて、体験したくてもチケットが既に埋まっていてというくらいのお馴染みの人気でありましたが、VRは人間の目のダイナミックレンジを完全に活用するVRディスプレイなどまだまだここら辺に関しても技術が伸びている印象でした。
シーグラフ会場のMetaのブース
Metaではメタバースなど、子供の落書きから書いたものをイラストのアバター化にする体験型の展示がありました。実際に触れたりするものなどを展示していました。Nvidiaでもメタバースの用に自分のチューリングテストに合格出来る3Dアバターを自動生成する技術なども公開していました。
メタバースでの技術と言えばちょっと前から聞くようになったUSDという技術についても話していました。少し前からUSDと言う単語を聞くようになったのですが、正式には Universal Scene Description (USD、ユニバーサル・シーン・デスクリプション)です。
ピクサーが作ったファイルの形なのですが、分かりやすく言うと要はどのソフトでも同じファイルでセーブ出来るノリの物です。例えば違うソフトをCGはたくさん使いますが、それぞれセーブファイルの種類が違いますが、USDを使うことによって全部USDとして使うことが出来ます。
実際はまだまだ制限なども多いですが、これを使う事によってメタバース内での3Dデーターを共有するということで、またもやNvidiaが発表していました。すでにPixar(ピクサー)やAutodesk(オートデスク),Siemens(シーメンス)などと共有で開発していくことなどを発表していました。
とまぁこれ以上にも、それぞれの方向性でたくさんありますが、やはり個人的にはリアルタイム・AI・メタバースだったのかと思います。もちろんそれ以外の細かな技術でも面白いのはたくさんありました。
以上が簡単なレポートで次は気になる就職情報をアップデートしていきたいと思います!
2022年後半のハリウッドVFX就職情報アップデート
さて毎度お届けしております就職情報になりますが、今年の就職情報はお伝えしていた就職チャンス情報を見て頂ければと思いますが、2022年10月になってもまだ活気が残っています。
ちなみに今年の大就職時期を見事に的中させていた去年の弊社の記事はこちらです(笑
実際問題としてはバンクーバーでの就職はかなり落ち着いてきた印象がありますが、全体的にはまだまだという感じでどこも人が足りていないですが、絶望的な状況では無くなったと思います。
しかし、モントリオールはあまり状況が変わっていなくバンクーバーよりもかなり悪く、人手不足はなかなか解消されていません。バンクーバーでは壮絶な人の取り合いはもう収まった感はありますが、モントリオールではまだまだ壮絶なリクルート戦争が続いているようです。
ただ、バンクーバーでもエフェクトやパイプライン、アニメーターなどという仕事はどこも人手不足で十分な状況とは言えないです。
以前にお伝えした就職情報ではバンクーバーの専門学校(Vanarts)の卒業生の就職率が100%という驚異の数字をたたき出していましたが、学生にとってはとても良い就職時期でありました。
以上、シーグラフのレポートや2022年10月のハリウッドVFX就職情報をご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
今後も不定期ですが、このような現地の最新情報をTwitterやブログを通じて発信していきたいと思います。最新情報など、Twitterをフォローしていただくと、タイムリーかつお得な情報を得ることができますので、ぜひ!
新しいテック情報や就職情報などはまたブログにてアップさせて頂きたいと思います。
それでは、また次回お会いしましょう!