英語に苦労しながらもオーストラリア、カナダで海外就職!バンクーバーVFX体験会に参加され、Image EngineにてエフェクトTDとして活躍する平井さんへインタビュー

皆様、こんにちは!

本日は、CGアーティストのインタビューシリーズを久しぶりにお届けいたします。

インタビューに協力してくださったのは、弊社のバンクーバ-VFX/CG現地体験会にも参加され、その後、オーストラリア、そして、現在バンクーバーでFXTDとしてご活躍されている平井豊和さんです。

海外挑戦を決め、海外スタジオからのオファーをもらうまで、さらには、面接でのTips、これから海外挑戦をしようと思っている背中を押すメッセージなど、盛りだくさんの内容になっています。

特に今日本でCGアーティストとして働かれている方で、新しいことに挑戦したい、海外で働いてみたい!という方に響く内容になっているかと思います。

それでは早速、インタビューをはじめていきます!

目次

Q1. 現在働いている会社とポジション、今取り組んでいる仕事内容を教えてください

バンクーバーの Image Engine で FXTD として働いています。映画や Netflix などのストリーミング作品のエフェクトの制作が主な仕事で、煙や液体、破壊やその他の特殊なエフェクトなどを含めた様々な種類のエフェクトを作ります。

Q2. 今のスタジオで働く前は何をされていましたか?

中国で1年半ほど立体映像の技術者として働き、日本で6年半ほどエフェクト制作やインハウスツールなどの製作をして、それからオーストラリアで1年半ほどエフェクトアーティストをしていました。

Q3. 普段、専門分野やCG関連はどのように学んでいますか?

基本的に独学です。人にものを教わるのが苦手なので、分からない事はとにかく調べながら自力で何とか学んでいます。映像に関してはほとんどまともな勉強をしてきていないので、専門学校などで専門的に勉強をしている人がうらやましいです。

Q4. 海外で働きたいと思ったきっかけは何ですか?

鍋潤太郎さんの『ハリウッドVFX業界就職セミナー』Teamove さんのバンクーバーツアーに参加する事で、それまでずっと抱いていた「いつか流暢な英語を話せるようになってみたい」という漠然とした思いと、丁度ふつふつと湧いていた「また新しい何かに挑戦したい」という気持ちが相まって、海外のスタジオで働くという考えが急に湧き上がりました。

Q5. バンクーバーのVFX/CG体験会に参加していただきましたが、参加する前と参加した後で大きく変わった点は何かありますか?

制作スタジオの中を見学させていただいたり、様々な場所の観光を楽しんだ事で、バンクーバーをはじめとする海外生活の魅力が伝わってきて、海外進出への意欲が一気に高まりました。

バンクーバーVFX/CG体験会に参加されたときの写真

Q6. 海外のスタジオからオファーをもらうまでの流れを簡単に教えてもらえますか?

まずはデモリールとレジュメを作りました。実はそれまでは国内外限らず転職の事を全く意識していなかったのでそれまで携わった作品をまとめたりなどはしていなかったのですが、転職を決意してからは必死に使えそうなものをかき集めて、自主制作の作品も入れ込んでいって何とかまとめました。

あとは、LinkedIn や各スタジオのウェブページなどを巡っては募集中のスタジオを探して片っ端からアプライして、返信が得られたらオンラインでインタビューをして、オファーをもらうという流れです。

Q7. 海外のスタジオからオファーをもらうために特に力をいれたことは何ですか?

やっぱり英語です。それまでは海外に住むなんて考えた事もなくて英会話の経験がほとんど無かったので、インタビューで聞かれそうな質問を自分で考えて、何を聞かれても英語で返せるように英文を大量に用意して挑みました。

それでもインタビュー本番はほとんど聞き取れず、何となく「これは質問をされているのではなく何かの説明をされているのかな」と推測したら「なるほど!」「それはすごいですね!」などと適当な相槌を打ったりして無理矢理に乗り切りました。

Q8. 面接ではどのようなことをきかれましたか?

基本的には自分のリールの内容について聞かれる事が多かったと思います。1つ1つの作品に対して、どのくらい時間をかけたかとか、何が大変だったかとか、そのような事だったと思います。

最後には逆質問を問われる事がよくあるので、これからインタビューを受ける方は前もって何を聞くか準備をしておくといいと思います。

Q9. 面接を振り返ってみて、ズバリ!受かった要因は自分で何だと思いますか?

今のスタジオに関して言うと、実はインタビューを受ける時には既に他のスタジオからもオファーをもらっていて、
「落ちたらそっちに行ける」という心の余裕があったので、かなり安心して望む事ができました。

どうしても慣れない言語での会話となると緊張してしまうと思うのですが、案外「落ちても何とかなるだろう」くらいの心持ちでいるといいのかもしれません。

Q10. 実際に海外のスタジオでの仕事をしてみて、これはすごい!と感じたことは何かありますか?

まずは時間とお金です。日本で働いていた時よりもタスクが少ない上に給料が高いので、本当に良い環境だなぁと思います。

それと、非常に高いスキルを持つ同僚が沢山いるので、同僚のデータを見させてもらったりアドバイスをもらう事で良い刺激をもらうことができます。

オーストラリア滞在中に同僚達とプライベートで遊んでいる時の写真

Q11. 海外のスタジオでの仕事や生活で苦労していること、もしくは、苦労したことを教えてください

やっぱり英語です。特に、コロナ禍のおかげで他人と英語で話す機会が滅多になくて英語力が伸びずに悩んでいます。

逆に言うと自動字幕つきのビデオチャットやテキストチャットのおかげで聞き取りができなくても、ある程度コミュニケーションがとれるので、そういう意味では苦労せずに済んでいるのですが、WFH(リモートワーク)でなくなった時に全然コミュニケーションがとれなくなっていそうで怖いです。

Q12. 英語はどのように学習されましたか?もしくは今も学習している場合はどのようにしていますか?

学生時代に英語は比較的得意な科目だったので基礎的な文法は自然と身についていたのですが、スピーキングやリスニングは未だに苦手です。

今でもたまに日本のオンライン英会話サービスを利用して英会話の練習をしたり、アメリカのドラマなどを観ながらリスニングのトレーニングをしています。

Q13. 今後どんなCGアーティストを目指していますか?もしくは、何か新しく挑戦をしようと思っていることがあれば、教えてください

とりあえずこのハイレベルな環境で働き続けるだけで精一杯なので、できる限り契約が切れないように何とか現状を継続したい一心です。

英語力で言えば友人と不自由なくどんな話題でも談笑できるくらいにまでなりたいです。

Q14. これから海外に挑戦して、将来は海外のスタジオで働きたい学生や社会人の方にアドバイスをお願いします!

もし「英語が完璧に話せるようになってから」とか「制作のスキルを上げてから」などと思っているのなら、恐らくいつまで経っても何も変えられないと思います。

海外のスタジオで働く事に興味があるのであれば、拙くても下手でも何でもいいからとにかく一歩を踏み出してみてください。案外何とかなります。

特に今は業界的に人手不足だったり、円安が加速していたりなどして海外進出にはもってこいのタイミングだと思うので、是非これを機に動き出してみてはいかがでしょうか。

Q15. 最後にこの記事を読んだ人が平井さんにコンタクトを取りたい場合はどうすればよいですか?

こちらにリプもしくは DM をお願いします。
https://twitter.com/hiraitoyokazu

いががでしたでしょうか。

特に最後の「これから海外へ挑戦したい人」へのアドバイスは、ご自身の経験からお話されていますし、現在の業界やこれからの社会の状況を俯瞰的に見ての内容で、すごく的確だと思います。

海外への挑戦を考えている皆様の背中を押すメッセージになっていますので、ぜひ平井さんのインタビューを読んで、海外への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?

最後に、平井さんも参加した「バンクーバーVFX/CG現地体験会」に興味のある方は、ぜひ体験会の案内もご覧ください。

バンクーバーVFX/CG現地体験会のご案内
https://teamove.com/tour/